ライティングの法則や型とは？読み手の心を動かすテクニックとスキルアップ術

誰もが読みやすく理解しやすい文章を身につけるためには、ライティングの法則や型を身につけることが欠かせません。決められた法則・型への理解を深めることでライティングスキルが上昇し、ライティングの時間を短縮しながらより多くの読者の心をつかむ文章を作成できるようになります。

さまざまなライティング法則・型を解説するとともにスキルアップ術も紹介するので、「文章が上手くまとめられない」「ライターとして行き詰まりを感じている」と悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

ライティングの法則や型とは

ライティングの法則・型とは、文章を作成するうえで守ったほうが良い決まりごとのようなものです。

良い文章とは、内容を理解しやすく、読んだ人の心や感情を動かせる文章です。良い文章には一定の法則や文章の型があり、読者のターゲット層や得たい効果などによってさまざまなパターンがあります。そのため、ライティングの法則や型の知識を深めて習得することで、より多くの読者を惹きつけられるようになります。

また読んだ人の心や感情を動かせると、ビジネスの世界では商品の購入やサービスの利用に繋げられます。そのため、良い文章とは商品購入やサービス利用に繋がりやすい文章とも言えます。

もちろん、ライティングの法則はライターだけではなく営業用のメールや社内向け文章にも活用できます。良い文章をライティングできる人は企業にとっても重宝されるため、ぜひ身につけていきましょう。

ライティングの法則や型を身につけるメリット

ライティングの法則・型を身につけることで得られるメリットは、主に以下の通りです。

ライティングの法則・型を意識した文章を作成することでアクセス数が増えた例は数多く存在し、それに付随して商品購入・サービス利用の人数が増加した例もあります。

一定の法則を意識した文章を作成することで読者の悩み・問題に寄り添い、解決のきっかけになるような提案をすることで購入・利用といった具体的な行動を引き起こしたからといえるでしょう。

また長文を作成していると書き手の思考がさまざまなところへ飛んでしまい、本筋から離れてしまうことは少なくありません。法則・型を意識することで目標・焦点を意識した文章作成が容易になるので、煩雑な内容になるリスクも回避できます。

ライティングの基本的な型や法則

ライティングの法則・型にはさまざまな種類・パターンがありますが、なかでも多くの場面で利用されている基本的なものは以下の通りです。

以上10個の法則・型について詳しく確認していきましょう。

PREP法（プレップ法）

PREP法（プレップ法）とは、「結論（Point）」「理由（Reason）」「具体例（Example）」「再結論（Point）」の4要素で構成された文章の作成方法です。

メリット

• 結論ファースト
• 要点の明確化
• 情報整理の習慣化

デメリット

• 共感等を得ることが困難な場合あり
• 反復練習が必要

PREP法ではいったん情報の整理をしつつ、理解を深めなければ要点を明確にした説得力のある文章作成はできません。反復練習が必要にはなりますが、文章作成の際にPREP法を意識し続けることで読者の理解を容易に引き出せる文章が作成できるでしょう。

SDS法（エスディーエス法）

SDS法（エスディーエス法）とは、「Summary（要約・概要）」「Details（詳細）」「Summary（要約・概要）」の3要素で構成された文章の型です。

メリット

• 限られた文字数での伝えることが可能
• 要点を絞ったスピーディーな伝達

デメリット

• 深掘りした説明が困難
• 共感を得たい場合には不向き

SDS法は短時間または短文で事実をありのままに伝えることには向いていますが、その一方で具体的なエピソードなどを盛り込む要素は含まれていないため、共感を得たい場合や意見などを主張したい場面では向いていません。

CREMA（クレマ）の法則

CREMAの法則とは「Conclusion（結論）」「Reason（理由）」「Evidence（証拠）」「Method（手段）」「Action（行動）」の5要素からなる型です。

メリット

• 説得力のある文書作成が可能
• 読み手の行動促進

デメリット

• 証拠集めが困難な場合あり
• 信ぴょう性の高さが重要

この法則は公的機関のデータなど明確な証拠を理由としてあげることで文章に説得力を持たせ、読者の行動促進を促す効果が期待できるでしょう。しかしその一方で信ぴょう性の高さが重要であることから証拠集めに時間・労力を割く必要性が高いといえます。

AIDMA（アイドマ）の法則

AIDMA（アイドマ）の法則とは、「Attention（注意）」「Interest（興味）」「Desire（欲求）」「Memory（記憶）」「Action（行動）」の5要素で構成する商品購入やサービス利用を促すためのマーケティング理論のひとつです。

メリット

• シンプルな構成で理解力アップ
• 誰でも容易に活用可能

デメリット

• 法則や型が現代に合致しない可能性あり
• 短期間での効果発揮は困難

シンプルな構成であることから書き手にとっては容易に活用可能であり、読者は短期間で理解できる点はメリットといえます。

しかしその一方で100年前に提唱された型であることから現代にそぐわないケースもあり、目に見える効果が得られる点もデメリットとしてあげられます。

AISCEAS（アイセアス）の法則

AISCEAS（アイセアス）の法則とは、「Attention（注意）」「Interest（興味）」「Search（検索）」「Comparison（比較）」「Examination（検討）」「Action（行動）」「Share（共有）」の7ステップで構成される購買行動モデルです。

メリット

• ユーザーの直接行動を促すことが可能
• 継続的なアクセスアップ

デメリット

• 長期目線での期待が必要
• PDCAでの継続調査が不可欠

ユーザーの注意を集めるところから競合サイトと比較してもらうことによって関心を強め、行動促進が期待できる点はメリットといえるでしょう。

しかし短期間での効果発揮は難しく、この法則の魅力などを最大限に引き出すにはPDCAなどの継続的な調査・見直しが欠かせません。

PASONA（パソナ）の法則

PASONA（パソナ）の法則とは、「Problem（問題）」「Affinity（親近感）」「Solution（解決策）」「Offer（提案）」「Nallowing Down（絞込）」「Action（行動）」の6要素から成り立つ手法です。

メリット

• 問題提起と解決策の提供が可能
• 具体例をあげた行動促進

デメリット

• 読者の不安増加
• ネガティブなイメージを与える可能性あり

具体例をあげて問題提起と提案ができるので、「不安を抱いている」「悩みを抱えている」といったユーザーの行動促進が期待できます。

しかし問題提起の度合いが過ぎると読者の不安を増加させるだけではなく、ネガティブなイメージを与えかねないので慎重さが必要といえるでしょう。

新PASONAの法則

新PASONAの法則とは、前述したPASONAの法則に「Offer（提案）」を加えた7要素からなる法則です。

メリット

• 関心度の向上
• 不安を払しょくする提案が可能

デメリット

• 押しつけがましい内容になる可能性あり
• 不安を煽りすぎるリスクあり

この法則は解決策とあわせて具体的な提案も可能であることから、不安を払しょくするとともにユーザーの行動促進も期待できるでしょう。

ただし問題提起での不安を払しょくしようとして押しつけがましい内容になる可能性が高いので、完成した文章を複数回読み返すなどの工夫をおすすめします。

PASBECONA（パスビーコナ）の法則

PASBECONA（パスビーコーナ）の法則とは、「Problem（問題提起）」「Affinity（共感）」「Solution（解決策）」「Benefit（ユーザー利益の強調）」「Evidence（証拠）」「Cotents（説明）」「Offer（具体的な提案）」「Nallow Down（絞込）」「Action（行動促進）」の9要素から成り立つライティングテンプレートです。

メリット

• ユーザーの理解度アップ
• 行動促進の向上

デメリット

• 書き手の理解度を高める必要あり
• 証拠探しに時間がかかる可能性大

ユーザーの利益・証拠を提示した具体的な説明と提案を行うことでユーザーの理解度がアップし、購入・利用といった具体的な行動を誘導しやすい点はメリットとしてあげられます。

しかしわかりやすい説明を盛り込むためには書き手の理解度を高める必要があり、誰もが納得できる証拠を提示するためには公的機関などのデータを集めなければなりません。これらに時間と労力を要する点はデメリットといえるでしょう。

QUEST（QUESTフォーミュラ）の法則

QUEST（QUESTフォーミュラ）の法則とは、「Qualify（絞込）」「Understand（理解）」「Educate（教育）」「Stimulate（刺激）」「Transition（行動）」の6要素から成り立つ購買意欲増進の法則です。

メリット

• 長文にも適用可能
• 短期間での効果大

デメリット

• 煽りすぎる印象を与える可能性あり
• 解釈の正確性が必要不可欠

ターゲットの理解力を高めるために正確な情報（教育）を提供することで信ぴょう性が増し、短時間で目的の効果が得られる可能性は高いでしょう。

ただし情報を提供する際には正確性が必要不可欠であり、そのためには書き手の豊富な知識量と高い情報収集能力が求められます。

BEAF（ビーフ）の法則

BEAF（ビーフ）の法則とは、「Benefit（利益）」「Evidende（証拠）」「Advantage（優位性）」「Feature（特徴）」の5要素で構成されるコピーライティング方法です。

メリット

• 競合他社に強い文章作成が可能
• ユーザーの行動促進増大

デメリット

• 先回りした情報が必要不可欠
• 情報過多になるリスクあり

競合他社との優位性にフォーカスしたうえでユーザーの利益になる特徴・証拠などの提示が可能な点から、購買などのユーザーの行動促進の増大につながります。

しかし常に先回りした情報が求められるため、日頃から情報収集が欠かせません。また優位性・特徴を強調するあまり情報過多になりがちであり、離脱率が高くなるリスクがある点は考慮したほうがよいでしょう。

ライティングの法則や型を活かすポイント

ライティングの法則・型を活かすためにはそれらを知っているだけでは不十分であり、効果を最大限に引き出すポイントも熟知していなければなりません。

上記5つのポイントを詳しく確認していきましょう。

ターゲットの明確化

ライティングの法則・型の効果を最大限に引き出すためには、ターゲットの明確化が必要不可欠です。

ターゲットの明確化は文章作成においての目標・着地点を決める重要な要素であり、ここが不確定のままでは読者が迷子になってしまい、すっきりしない内容になってしまいます。

性別・年齢層を柱として、以下のような要素を追加するとよいでしょう。

上記は一例ですが、このようにターゲット層をはっきりさせて文章作成に取り組むことで読者の心を動かすだけではなく、より多くのユーザーを引き付ける効果も得られます。

商品・サービスのベネフィット

商品・サービスに関連した文章を作成する際には、ベネフィット（利益）を伝えることが重要です。

読者・ユーザーは、その商品・サービスが実際にどのようなものなのか明確なところがわかりません。購入・利用などの行動のきっかけになる要素が利益であり、それらを利用することでどのようなメリットがあるのか明確に伝えることが重要です。

商品・サービスのベネフィットを伝えるためにはそれらの知識・理解を深めておかなければならず、競合他社の商品・サービスの機能などの情報収集も行っておいたほうがよいでしょう。

日常的にさまざまな業界・ジャンルにアンテナを広げて幅広く情報収集をしておくことで、購入者数・利用率のアップにつながります。

論理展開の矛盾・飛躍の確認・排除

論理展開の矛盾・飛躍の有無を確認することも、ライティングの法則・型を利用するうえで重要な作業です。

ユーザーの行動促進やアクセス数アップなどを意識しすぎるあまり、無理がある論理展開や過剰な飛躍をしてしまうケースは多くあります。しかし読者は「そんなわけがない」と意欲が減退してしまい、行動促進が期待できないばかりか離脱率が増加してアクセス数が伸び悩むといった事態を引き起こすことになりかねません。

誰の目から見ても納得できるような論理展開が必要であり、そのためには時間をおいて再度作成した文章を見直したり第三者に読んでもらったりする方法がおすすめです。

文章作成において目標達成は重要な要素ですが、それだけにとらわれないようにしてください。

事実・根拠の正確性

正確な事実・根拠のリサーチと提供は、法則・型を活かす以前の重要なポイントです。

読者は不安の解消や疑問点の解決などを目的として、作成された文章を閲覧しています。参考になる情報を提供することが目的であるはずの内容に誤りや不正確な情報が盛り込まれていた場合、それを参考にしたユーザーに新たな不具合が生じるかもしれません。

ライティングをするうえで提供する情報は常に正確でなければならず、そのためには確かな情報源のリサーチが必要不可欠です。

作成するコンテンツの内容にもよりますが、公的機関のデータや専門的な資格を有した作者の文章を参考にするなど、事実・根拠のリサーチには正確性を重視してください。

語彙・文章のわかりやすさ

ライティングの法則・型の効果を活かすためには、わかりやすい語彙の使用や読みやすい文章作成を意識しましょう。専門用語やわかりにくい内容は、読者が途中で離脱してしまう可能性が高いからです。

近年、若年層の間でタイムパフォーマンスを重視する動きが活発化しており、Web上で提供される文章も短時間で読んで理解できるほうが需要が高いといえます。

例えば専門用語が多く使用された文章の場合、意味の分からない言葉は自分で調べなければなりません。調べる行動に時間・労力が割かれることを嫌う傾向が高い現状では、わかりやすい文章で作成されたコンテンツを探す人が出てくるでしょう。

ライティングでは最後まで読んでもらうことが重要であるため、法則・型を活かすためにもわかりやすい文章・語彙を意識することをおすすめします。

ライティングの法則や型を理解してスキルを向上しよう

ライティングの法則・型の紹介とそれを活かす方法について解説しました。

文章を作成するうえで有効な法則・型は複数ありますが、これらを最大限に活かすためにはそれぞれの特徴を理解するとともにライティングの基礎も身につけなければなりません。その基礎となるのが、ポイントで紹介した5つの要素です。

本記事を読んでさまざまな方法・型・基礎を学ぶとともにライティングでは常に意識し、スキルアップを目指してください。