X(旧Twitter)で集客する方法とは?コツ10選とメリット・デメリットや注意点を紹介!
企業のマーケティングにおいて、「SNSを通じた集客」は時とともに重要性を増しています。とくに拡散力に優れるX(旧Twitter)は、大きなコストやリソースをかけずに集客効果が狙えるSNSであり、ぜひとも有効に活用したいところです。
一方で、上手な使い方が見つけられず、「Xでの集客は難しい」と悩む声も聞かれます。しかしSNSに慣れない人であっても、Xの特性を理解し、運用のコツを知ることで、着実に成果を伸ばしていけるでしょう。
この記事では、Xを通じた集客方法について、成功例をふまえたコツを紹介していきます。
目次
集客ツールとして見たX(旧Twitter)のメリット
無料でアカウントを開設でき、投稿を多くのユーザーに届けられるXは、集客ツールとして多くのメリットをもっています。以下、具体的な利点について解説します。
自社に関心のある層へのコンスタントな情報提供
Xの大きなメリットの1つに、「フォロワーに対してコンスタントに情報を届けられる」という点が挙げられます。
もちろん、「定期的な情報発信」というだけであれば、ダイレクトメールなどの手段によっても十分に実現可能でしょう。しかしその場合、送り先のリアクションが見えにくく、「中身を見てもらえない」という可能性も大いに考えられます。
対してXの場合、「フォローしている人がなにか新しい情報を投稿していないか」とチェックするためにタイムラインを開くユーザーも多いといえます。そのため自然と「最新情報を欲しているユーザー」の目に留まる可能性も高まるでしょう。
またXのリアルタイム性の高さを活かし、限定情報やキャンペーン情報を発信するなど、ターゲットから「インスタントな関心」を引き出すことも期待できます。
効果測定がしやすい
Xのプラットフォームにおいては、個々のポストからインプレッション(=そのポストが何度表示されたか)やエンゲージメント(=リポストや「いいね」、リンクのクリックなどリアクションを引き出した回数)が確認できます。つまり、「ユーザーの関心をどの程度集められているのか」を簡単に把握できるのです。
投稿を重ねるうち、「どんな話題や切り口が受け入れられやすいか」についても見当がついていくと考えられます。短いスパンでトライアンドエラーを繰り返し、自社にあったスタイルを見つけていける点がXの長所です。
親近感・信頼感の獲得
X上で日々投稿を重ねることで、フォロワーからの親近感や信頼感も得やすくなるでしょう。企業アカウントのなかには「独自の視点」や「特徴的な文体」によって、多くのファンを獲得しているケースも見られます。
商品・サービスに直接関係する内容でなくとも、親しみやすい雰囲気やキャラクターを訴求することにより、企業そのものに対する信頼感が形成されていくと考えられます。
X(旧Twitter)を通じた集客方法
Xにはさまざまな活用方法があり、集客に向けた運用法としても多様なアプローチが考えられます。以下、多くの企業アカウントに見られる基本的な集客方法を紹介していきます。
製品・サービスについての情報提供
自社が扱う商品やサービスについての情報提供は、企業アカウントのもっとも基本的な運用方法の1つです。
新製品の情報を発信するほか、自社商品の上手な使い方など「それが日常のシーンでどのように役立つか」という情報を届けていくことで、購買意欲を徐々に高めていけるでしょう。
限定情報やキャンペーン情報の発信
リアルタイム性を活かした「その時だけの情報」の発信も、Xにおける基本的な集客施策の1つです。
とくに消費者にとってメリットの大きなキャンペーン情報の場合、ポストが広く拡散され、新規顧客の開拓につながるケースも少なくありません。キャンペーンへの参加条件を「このポストをリポスト」などとすることで、拡散効果を高めている企業も多く見られます。
ユーザーとのコミュニケーション
Xにおいてはリプライやリポスト、「いいね」といった他ユーザーとの交流機能が用意されているため、企業アカウントであっても一般ユーザーと直接コミュニケーションをとることができます。
もちろんSNS上で一般ユーザーと交流したからといって、ただちに集客効果が見込めるわけではありません。しかし中長期的な視野から、親近感・信頼感を高めていくうえでは、個々のユーザーとの関係を蓄積していくことも有効でしょう。
自社に関連する他ユーザーのポストに対して「いいね」やリポストをしたり、疑問や相談に答えたりすることで、「この企業は顧客目線に立ってくれている」といったイメージにつながっていくと考えられます。
X(旧Twitter)による集客が「難しい」とされる理由
Xを通じた集客には「フォロワーの獲得」が欠かせません。しかし、X上には無数のアカウントが存在し、ただ投稿を繰り返しているだけでは他ユーザーの目に留まりにくいのも事実です。
加えて、短文で適切に情報を伝えるには慣れが必要であり、短いテキストでユーザーの興味を引くテクニックが求められる面もあります。
結果として、どうすればターゲットからの関心を引けるのかがわからず、効果的な施策を見つけられずにいるケースも少なくありません。集客効果を高めるには、以下に紹介するような「運用のコツ」を実践していくことが求められるでしょう。
X(旧Twitter)による集客のコツ10選
Xを通じた集客効果を高めるうえで、欠かせないコツを紹介します。特別なスキルやノウハウがなくても、基本を押さえるだけで着実にターゲットへと訴求していけるでしょう。
プロフィールをわかりやすくまとめる
自社の投稿に対して興味を抱いたユーザーの行動として、まず「プロフィール画面を見る」ことが考えられます。そのためプロフィール画面を通じてさらに自社への関心を深めてもらえるよう、必要な情報をまとめておきましょう。
Xのプロフィールは、通常アカウントの場合「ヘッダー画像」「プロフィール画像」「アカウント名」「自己紹介(160文字)」「場所」「ウェブサイト」「生年月日」の7項目が変更可能です。
「自己紹介」の欄は基本的に、ビジネスの概要と、アカウントの趣旨(X上でどんな情報を提供していくか)、問い合わせ窓口(X上でDMは受け付けているか、公式サイト上で受け付けているかなど)について記載しておくとよいでしょう。
他のユーザーから見て「それが何のためのアカウントなのか」がわかるよう、必要な要素を端的にまとめることが大切です。
「場所」には会社や店舗の所在地を記載するとともに、「ウェブサイト」にはXからの流入に適した自社ページやECサイトなどのURLを掲載しましょう。
プロフィール画像やヘッダー画像も、自社のイメージに合ったものを用意することが求められます。プロフィール画像は企業ロゴなどを採用しているケースが多いでしょう。一方で、ヘッダー画像はキャッチフレーズを当て込んだイメージ画像など、専用のサイズに合わせたクリエイティブを用意すると、見る人の興味を引きやすくなると考えられます。
自社業界に関連するインフルエンサーをフォロー
企業アカウントを運用する際には、「確度の高いフォロワー」をいかに獲得するかが大きなポイントになります。そのためまずは「自社に関連する業界やジャンル」を中心に、他ユーザーとのフォロー関係を築いていくことが重要です。
とくに「その業界で影響力をもっているアカウント」が誰であるのかは、あらかじめチェックしておきましょう。
フォロワーが多いアカウントや、ユーザーに有益な情報を発信しているアカウントを見つけたら、フォローしたうえで「いいね」やリポストなどコンスタントに関わりをもっていくとよいでしょう。
リアクションを重ねるうち、当のアカウントからリアクションを返されたり、言及されたりすることで、そのジャンル内での注目度も高まっていくと考えられます。
自社に関連するポストへのリアクション
自社の商品・サービスに関する感想や、上手な活用のしかたを投稿しているポストを見つけたら、積極的にリポストや「いいね」をしていきましょう。
とくに肯定的な口コミや、日常生活への取り入れ方を具体的に示している投稿をリポストすることで、他のフォロワーに対してよいイメージを広めていけると考えられます。その他、YouTubeで自社製品の使い方を紹介してくれている動画など、他ユーザーのコンテンツを取りあげて投稿するのも有効です。
他ユーザーのコンテンツを紹介するポストにおいては、その発信者に対する感謝の意を表明しつつ、ちょっとした感想なども加えておくとよいかもしれません。
投稿する時間帯を意識
企業・個人を問わず、多くのユーザーから関心を集めるうえでは「継続的かつ定期的な投稿」が欠かせません。
不定期かつ投稿頻度が低いと、フォロワーのタイムラインのなかで埋もれてしまい、重要な情報が届けられない可能性もあります。普段からコンスタントに情報を届けることで、情報が埋もれにくくなり、ターゲットの目に留まる確率も高まります。
投稿の際には、「時間帯」と「内容」のマッチングにも注意しましょう。通勤中や昼休憩、育児・家事の合間、夕食後の自由時間など、ターゲットとなる層の生活リズムを考慮しながら、場面に応じた内容を投稿していくと効果的です。
画像・動画を活用
ポスト内に画像や動画などを挿入しておくと、タイムラインのなかで目につきやすくなります。
たとえばアパレルブランドがコーディネートの画像を掲載したり、食品メーカーがレシピ動画を掲載したりと、「自社の商品・サービスに関わる視覚情報」を投稿していく方法がまず有効です。
一方、たとえば「お土産店が看板猫の画像を毎日投稿する」など、商品・サービスに直接関係のない情報であっても、親近感につながることがあります。「自社の雰囲気やキャラクター」が伝わる画像を意識し、コンスタントに投稿していきましょう。
固定ポストを工夫する
「固定ポスト」は任意の投稿をプロフィール直下に固定できる機能であり、「見てもらいたい情報」を目立つ位置に留めておくことができます。
活用方法としては大きく2つの方向が考えられ、1つは「プロフィールを補足する内容を掲載する」というものです。たとえば飲食店がメニュー画像を掲載するなど、ヴィジュアル情報を含むポストを固定化しておくと、イメージが直感的に伝わりやすくなるでしょう。
もう1つの方向性としては、「今実施しているキャンペーン情報」など最新の重要情報を固定化する方法が考えられます。ポスト内にキャンペーン情報のリンクを設置するなど、プロフィールとは異なる導線を引くことも可能です。
「トレンド」を逃さない
自身のポストに対する注目を集めるうえでは、Xの「トレンド」機能も有効に活用したいところです。
トレンドの上位に入っているワードは、一時的にX上での検索数も上昇しているため、そのワードを含めたポストはフォロー外のアカウントの目にも触れる可能性が高まります。
一方で、闇雲にトレンド上のワードを含める投稿は、露骨な「インプレッション稼ぎ」の行為としてユーザーの反感を買いやすいため注意が必要です。あくまで自社のキャラクターや運用方針に沿ったかたちで、関連のあるワードに反応していくとよいでしょう。
なお、X上で収益を目的としたインプレッション稼ぎに終始するアカウントを指す言葉として「インプレゾンビ」があります。こちらについては別の記事内で詳しく説明しておりますので、あわせてご参照ください。
>>>インプレゾンビとは?X(Twitter)に蔓延する理由や対策方法について徹底解説
ハッシュタグの活用
Xにおいては、特定のキーワードの頭に「#(ハッシュマーク)」をつけることで、そのワードをタグづけすることができます。ハッシュタグによって該当のワードがリンク化し、検索などで他ユーザーから見つけやすくなるため、普段の投稿から積極的に活用していきたいところです。
具体的な使い方としては、上述の「トレンド」に載っているワードをタグづけしたうえで投稿する方法がまず考えられます。話題になっているハッシュタグを使うことで、フォロワー以外の目にも留まりやすくなるでしょう。
また、X上でユーザー参加型のキャンペーンを実施する際などには、オリジナルのハッシュタグを活用することも有効です。
多くのユーザーから該当の商品名やキャンペーン名をタグづけして投稿してもらえれば、そのタグのついたポストを一覧で確認できます。さらに、そのハッシュタグが広まっていけば、「なにか流行っているのかな?」と他ユーザーからの関心も引きやすいと考えられます。
分析機能を活かす
自身のポストに表示されるインプレッションやエンゲージメントなどの指標を参考に、投稿内容や文体を改善していきましょう。投稿ごとに指標を確認できるので、次々にフィードバックを得ながら試行錯誤を繰り返すことが大切です。
初期には似た内容を異なる文体や画像で伝えるA/Bテストを何度も実施するなど、方針を固められるよう積極的に分析機能を活用していくことをおすすめします。
広告機能の活用
認知拡大を図るうえでは、有料の広告機能を利用することも1つの選択肢です。年齢層や性別、エリアなどを細かくターゲティングしていくことで、狙ったユーザー層のタイムラインなどに自社のポストを表示させることができます。
形式としても、タイムラインや返信欄における広告枠に通常ポストと同様のかたちで表示されるため、自然とユーザーの目に触れやすいといえます。費用面でも、成果に応じた課金方式を採用しているので、予算と目的に合わせて運用していけるでしょう。
(参照:広告|X ビジネス)
X(旧Twitter)による集客の成功例
X上には数えきれないほどの企業アカウントが存在し、その運用方針もさまざまです。以下では実際に、Xの運用を通じて集客に成功している企業アカウントの事例を紹介します。
日清食品ホールディングス株式会社
即席麺などの製造で知られる日清食品は、Xにおいて「カップヌードル」や「UFO」などの主要商品ごとに専用アカウントを作成しており、それぞれ方向性の異なる施策を展開しています。
新商品やおいしい食べ方の紹介、キャンペーン情報の発信といった基本部分は共通するものの、商品ごとに異なるターゲットに訴求できるよう雰囲気や文体を工夫しているのです。
たとえば「カップヌードル」のアカウントはフランクな投稿が特徴であり、思わず笑ってしまうようなポストも多く見られます。
一方、「カップスープ」のアカウントではほのぼのとした雰囲気の短い漫画を掲載するなど、ターゲット層に応じたアプローチを実践しています。
株式会社ニトリ
家具・インテリアの大手小売企業として知られるニトリは、X上でユーザー目線の投稿を継続することにより180万以上のフォロワーを獲得しています(2024年4月現在)。
自社商品の活用アイデアを発信するとともに、一般ユーザーが自社商品を上手に使っている投稿をリポストすることにより、「暮らしに密着した商品の活用方法」を広めているのです。
その他、アプリ会員による投稿モニターなど、ユーザーが参加してみたくなる企画もしばしば実施しています。
こうしたポストや企画の積み重ねから、一般ユーザーにとって「フォローすることでお役立ち情報を受け取れるアカウント」としての立ち位置を確立している事例といえるでしょう。
株式会社タニタ
体重計をはじめとする計測器のメーカーであるタニタは、X上でのフランクなキャラクターや、他アカウントとの軽妙なかけあいによって人気を集め、30万以上のフォロワーを獲得しています(2024年4月現在)。
一般ユーザーとも積極的にコミュニケーションを図っており、自社商品に関連する意見を募集するポストのほか、おすすめの漫画について一般ユーザーに意見を聞くなど、「商品とはまったく関係のないポスト」も特徴的です。
企業アカウントでありながら、ざっくばらんなコミュニケーションを楽しめるギャップが好感度につながり、アカウントそのものの固定ファンも多く獲得しています。直接的な集客効果を見込むのではなく、Xを通じて着実に認知度や親近感を高めている事例といえるでしょう。
X(旧Twitter)を集客に活用する際の注意点
Xは拡散力の高いプラットフォームであり、適切に用いることで高い集客効果が期待できます。しかしその反面、意図しないかたちでポストが拡散し、多くの非難を浴びてしまうケースも見られるようになりました。
以下では具体的に、ネガティブなイメージを避けるうえで必須となるポイントを解説していきます。
「誰かを傷つける言葉」を使っていないか
Xはテキストを主体としたSNSであり、短くまとめた文が意図しない解釈を生む可能性も大いに考えられます。
性差や国籍、人種など「属性に対する差別的な表現」を避けることはもちろん、何気ない投稿についても「誰かを不快にする可能性」を省みることが大切です。
1つの文章であっても受け手によって多様な解釈がありうるため、「それがどのように読まれるか」を多角的にチェックすることが望ましいでしょう。
ポストがユーザーに対する「ノイズ」となっていないか
SNSが普及し、マーケティングや収益化に活用するアカウントが増えた現在では、露骨な「インプレッション稼ぎ」や「ステルスマーケティング」などに対して嫌悪感を抱くユーザーも増えています。
インプレッションを稼ぐために過激な表現を用いたり、闇雲にハッシュタグを利用したりといった手法を避けることはもちろん、それ以外の面でもフォロワーのタイムラインに対してノイズを生じさせないよう配慮する必要があるでしょう。
自身が投稿したキャンペーン情報を1日に何十回もリポストしたり、「自社商品に言及する他ユーザーのポスト」を精査せずひっきりなしにリポストしたりと、見る人が「目新しさを感じない情報」を繰り返し取りあげるのは得策ではないといえます。
リポストや「いいね」にも注意
自社商品に関連する他ユーザーのポストであっても、社会通念上問題のある内容が含まれている場合にはリアクションを避ける必要があります。
差別的な内容や、誹謗中傷のような内容に対してリポストや「いいね」をしてしまうと、「企業としてその内容に賛同している」と受け取られる可能性もあるでしょう。
アカウントの運用主体を明確にする
企業の公式アカウントであっても、基本的には管理・運用は個人またはチームが担当するため、主観的な表現が入る可能性があります。
とくに親近感を訴求するため「くだけた表現」を頻用する場合などは、プロフィール上で「各ポストは企業としての立場や見解を示すものではない」という旨を示しておくとよいでしょう。
投稿のダブルチェック体制をつくる
X上で個性的な文体やキャラクターを打ち出してしていく場合には、特定の従業員個人に投稿内容を任せてしまった方がよいケースもあるでしょう。しかしそのような場合にも、投稿内容に社会的・倫理的な問題がないかをチェックする役割を別に置いておくことが望ましいといえます。
1人が投稿内容を考えてスプレッドシート上に共有し、もう1人がそれを実際にX上に投稿するなど、必然的にダブルチェックができる体制を整えておきたいところです。
まとめ
Xは短いテキストでユーザーの関心をキャッチしなければならないことから、「集客施策が難しい」といわれることも少なくありません。
しかしコストやリソースをかけずに情報を広く発信したり、ターゲットとの関係性を築いたりできる点で、Xは非常に優れた集客ツールにもなりうるSNSです。
運用の際には、プラットフォームの特性に合わせてコツを把握することが求められます。ターゲットの目線に立ちながら投稿を繰り返し、指標をもとに「どのような情報が求められているのか」を見定めていきましょう。
また企業アカウントを運用するうえでは、X上での投稿がネガティブなイメージにつながらないよう十分注意する必要があります。世相や社会情勢についても配慮しながら、複数人で投稿内容をチェックできる体制を整えておくとよいでしょう。
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