体の不調からヒントを得て起業―体質診断型薬膳キットのYAKUZEN TOKYO株式会社 山川麻子さん
体質診断型パーソナル薬膳キットのサブスク事業を展開するYAKUZEN TOKYO株式会社の代表取締役社長、山川麻子さんにインタビュー!創業から1年半が経ち、自社倉庫を構えてD2Cを強化、またB2CだけでなくB2Bにも挑戦しようとしています。
サステナビリティにもこだわりがあり、なにより社長自らユーザーに直接コンタクトを取ってニーズを知ろうとするなど、エネルギッシュな探求心に満ち溢れています。
目次
YAKUZEN TOKYOとは
YAKUZEN TOKYO株式会社とは、同社サイト上で行う体質診断の結果に合わせてパーソナライズした薬膳キットを毎月、月額2,990円(税込)で提供している企業。
代表である山川麻子さんが体調を崩したときに東洋医学と出合い、実際に改善されたことをきっかけに、ほかの人々にも広めたいと設立されました。
製造、封入業務は精神障害者の自立支援をするNPO法人すみれ工房と提携し、商品パッケージには再生素材を使用、さらに簡易包装にこだわるなど、持続可能なスキームも構築。
「ネオ薬膳」をキーワードに、毎日Instagramのライブ配信を行ったり、積極的にアレンジレシピを発信したりするエネルギーには、新しさと同時に、日常に溶けこむ柔軟さを感じます。
会社名 | YAKUZEN TOKYO株式会社 |
設立 | 2021年9月9日(サブスク事業開始は2022年8月4日) |
事業内容 | パーソナル薬膳キットのサブスクリプションサービス「YAKUZEN TOKYO」の企画開発 |
URL | https://yakuzentokyo.com/ |
YAKUZEN TOKYOのサブスク「ネオ薬膳」キット
―体質チェック後、必要な薬膳キットをサブスクで提供するというのは、今までありそうでなかったサービスだと思います。
「ネオ薬膳」という言葉に込められた意味についてお伺いできますか?
YAKUZEN TOKYO株式会社 代表取締役社長 山川麻子さん(以下、山川さん):薬膳に対して「古い」というイメージを持っている方が多いと思うんです。
「昔ながら」といってしまえば聞こえはいいですが、薬膳の場合は「複雑で難しそう」「苦そう」などネガティブに捉えている方が多いのではないかと思い、「気軽に取り入れられる現代のもの」というのをYAKUZEN TOKYOの第一段階のコンセプトに据え、「ネオ薬膳」と謳うようにしました。
―雑誌『anan』に掲載された際も「ネオ薬膳」として紹介されていましたね。
(「温活」特集が組まれた『anan』2327号に掲載された際に配信されたYAKUZEN TOKYO公式アカウントによるInstagram Liveのアーカイブ)
山川さん:そのときターゲットに想定していたのが35歳から45歳の女性で、ちょうど『anan』をご覧いただく機会のある層だったんじゃないかなと思っています。
―ユーザーは女性が多いのでしょうか?
山川さん:継続してくださっている方は女性が多いですが、単品購入となると男性も結構いらっしゃいますね。
当社の商品はいずれもそのままでは食べられず、加熱するなどなにかしら手を加えないといけないので、調理に慣れている方じゃないと継続のハードルが高いのかなと思います。
あと女性のほうがオーガニックやオリエンタルなものに興味を持つ傾向にある気がするので、ケミカルなものを使っていないということが、女性ユーザーを増やす要因になっているのかもしれません。
でも最近他社との共同販売を始めたんですが、そちらの実店舗には若い男性のお客さまも増えてきたとお聞きするので、これからちょっとずつ変わってくるのかなと楽しみにしています。
パッケージデザイナーがMdNデザイナーズファイルに掲載!
―御社の薬膳キットはパッケージがかわいいのも特徴ですよね。
事業開始された際のプレスリリースを当時拝見していたのですが、一目で印象に残りました。
山川さん:ありがとうございます。
イラストはイラストレーターの三好愛さんに、デザインはアートディレクターの中北隆介さんにお願いしているんですが、中北さんは『MdNデザイナーズファイル2023』に掲載され、誌面でYAKUZEN TOKYOのパッケージとロゴをご紹介くださいました!
『MdNデザイナーズファイル2023』に掲載していただきました!最新のお仕事9点を載せてもらっています。初掲載うれしいです◎#MdNデザイナーズファイル pic.twitter.com/DjSZ6btEzm
— 中北隆介 nakakita ryusuke (@naca_Lab) March 12, 2023
―YAKUZEN TOKYOのパッケージが一番大きく掲載されていますね!
山川さん:そうなんです。
こういった素晴らしい方々が思い入れを持って取り組んでくださっているので、もっとがんばって事業を育てていかないと!と思います。
自身の体調の変化から薬膳に興味
―薬膳に関するビジネスを始めようと思ったきっかけはなんだったのでしょう?
山川さん:4年くらい前に不安症になってしまい、その理由を探る旅が始まりました。
そのなかで東洋医学の食事療法に出合い、お医者さんが処方してくださった漢方薬が私に合っていたみたいで、一気に改善したんです。
そのときに漢方が全部“生薬”と呼ばれる食材でできていることを知り、いわゆる薬品ではなく食材がこんなに身体に効くことがあるんだ!と興味を持ちました。
でも独学で本を読んで知識を得るには限界があると思い、国際薬膳師の資格取得に向けたスクールに1年通い、試験を受け、資格を取得したという経緯があります。
国際薬膳師になると、料理教室を開く方が多いみたいなんですが、私は料理が特別好きというわけでもなく、もっとみんなに薬膳を知ってもらったり利用してもらえたりするような仕組みを作りたいと思ったので、Instagramを通じて活動を開始しました。
そのときはまさか起業するとは思っていなかったですが(笑)。
―体調を崩してしまったことが結果としてターニングポイントになったんですね。
山川さん:苦しい思いをしたことを無意味にさせない!って思ったんです。
嫌な思い出にするのではなく、これを全部バネにしようと自分から変えてきたという感じですね。
個人事業主ではなく法人化したきっかけ
―起業の決め手はなんだったのでしょう?
山川さん:活動を進めるうえでは、個人事業主でも全然いいと思います。
ただ私の場合は、導入したいシステムを取り入れるにあたってお金を借りる必要があり、そうなると法人じゃないとなかなか難しいので、法人化を決めました。
マーケティングを行っていた会社員時代からの友人が事業開始まで手伝ってくれて、かなり助けられましたね。
フランスに住んでいる方なんですが、向こうはサステナビリティが日本よりずっと生活に溶け込んでいて、そういった面で参考にもなりました。
彼女が一緒に内容を練ってくれたことで、事業としてやっていこうかな、と動き始め、実際にこうしてローンチできたといえます。
サステナビリティにも注力
山川さん:パッケージは紙と環境にやさしいビニールにこだわり、食材調合にも時間がかかったことで、企画を練りはじめてから2年くらいかかってようやくローンチできたので、長かったですね……。
―でもあとから変更するのではなく、最初から継続可能なものにこだわったからこそ早い段階でファンになった方も多いと思うので、素晴らしい決断だったと思います。
サステナビリティというと、製造、封入作業は精神障害者の自立支援を行っているNPO法人すみれ福祉会 すみれ工房と提携して行われていますが、こちらについても最初から企画されていたのでしょうか?
山川さん:はい、もともと私が不安症になったことをきっかけに始めた事業ということもあり、精神障害者への支援はしていきたいと考えていました。
それと、フランスなどではそういった業務を医療法人と提携して行うというのはよくあることらしいんですが、日本ではまだ多くないので、前例を作っていきたいという思いもありました。
進めていくなかで、現状、支払われる賃金が仕事に対して低いことが多いという課題も見えてきたので、当社では提示された金額をそのまま受け入れて提携させていただいています。
YAKUZEN TOKYOの場合は、グラム単位で測って納品する必要があり、かなり細かい作業を要するんですが、以前Instagramのフォロワーさんに向けてモニターさんを募集させていただいた際に、22人分くらいを自分で封入してみたんですよ。
そうしたらすっごく大変で、自分一人で行うのは到底無理だなーと感じていたので、すみれ工房の方々は救世主だと思っています。
みなさん結構楽しんで封入してくださっているそうで、早々に終わらせて「次の分はまだですか?」と言ってくださるんです。
―分担することでそれぞれが得意なことを伸ばせるというのもサステナビリティですね。
個人向けだけでなくB2B・B2B2C展開も開始
―先ほど共同販売の話をされていましたが、いつから開始されたのでしょうか?
山川さん:2023年3月からです。
B2Bの施策を開始させようと思い、その第1弾として共同販売されている企業さんとの提携を始めました。
毎月カタログ内でご紹介いただいて、誌面上だと細かい体質診断はできないんですが、自身の身体で気になるところのあるお客さまに対して「このキットはいかがでしょうか?」と提案しています。
もともと私自身が利用させていただいていた地域密着型のプロジェクトで、無農薬の野菜やオーガニック食品なども販売されているので、顧客層もマッチしているんじゃないかなと思っています。
ここで成果があがれば、今後横展開もできるんじゃないかなと……。
―ECとカタログ通販ではいろいろ異なる面もあるのではないでしょうか?
山川さん:たしかにそれぞれ違う特徴があるんですが、カタログ通販の会社に勤めていたこともあるので、その経験を活かして、紙媒体での販売の特性を意識してやってみようと思っています。
あと今は整骨院さんとコラボできないかなーと考えていて、施術によって身体に直接アプローチして、さらに薬膳によって内側からもアプローチできれば、お客さまにとってもいいんじゃないかと。
実際に、整骨院で「食事にも意識してください」と話されることも多いみたいなので、そこをYAKUZEN TOKYOがフォローできればいいなと考え、まずはスタッフさん向けに試食会をして、これからどういうふうに進めていくか企画していこうという段階です。
こちらについてもサービス形態としてマッチできたら、ほかの業界にも推し進められると思うので、がんばっていきたいですね。
―B2CだけでなくB2B、B2B2C展開もしていくということですね。
毎月のレシピ提案のためにD2Cも強化
―2023年3月から倉庫も自社に移したとお聞きしました。
山川さん:はい、今までご注文いただいてから発送までいくつかシステムをまたぐ必要があったんですが、直送させるために移動させました。
一番の理由は、購入者ごとに封入物の内容を変更したり、薬膳を取り入れる方法やアレンジレシピなどを季節ごと、月ごとに提案したりしたかったんですけど、他社に配送を委託しているとそういった対応をフレキシブルに行うのが難しかったからです。
ECサイトを主軸にしたビジネスではありますが、お客さまとのコミュニケーションはインターネット上だけでなく、むしろモノが届いたときにこそ生まれると思っているので、そこを丁寧にやっていきたかったんです。
―お客さまも、毎月キットが届くのがより楽しみになりそうですね。
山川さん:これからは、今まで以上にお客さまに楽しく薬膳を取り入れていただけるようアシストしていきたいと思っています。
今までもアレンジレシピはInstagramで発信していたんですが、キットが届いたときに「今月のおすすめレシピはこれかー」と知ってもらえるように提案していきたいですね。
おすすめの薬膳アレンジレシピ
―ちなみに今おすすめのレシピはなんですか?
山川さん:次回(2023年4月)の定期便に同梱しようと思っているのは、カレーのレシピです。
(Instagramでも動画で作り方を発信しているので、オンラインでもオフラインでもレシピを確認することができます)
山川さん:カレーの場合は通年食べられるメニューなので、特別「春におすすめ!」というわけではないんですが、基本的には季節ごとに出やすい症状をお伝えして、そこからどういった食べ物、どういった食べ方がおすすめなのかをご紹介していきたいと思っています。
―今の時期だと、たとえば花粉症におすすめの薬膳はありますか?
山川さん:花粉症については、免疫の低下が発症原因だといわれているんですね。
―たしかに、腸内環境を整えて免疫力を高めると花粉症にも効果があるというのはよく聞きますね。
山川さん:そうですね、西洋医学的には「腸活」が大事だといわれますよね。
薬膳の観点だと、身体の中の気・血・水(※)のバランスを保つことが大事だといわれていて、特に「気」はエネルギー源や生命力みたいなものなので、これが低下すると、いろんな外的要因の影響を受けやすくなると考えられています。
※ 気・血・水(き・けつ・すい):漢方の思想では人間の身体はこの3つによって成り立っていると考えられている。気はエネルギー源、血はいわゆる血液と同じものでホルモンバランスに関わるとされ、水は体内を流れるあらゆる水分のことを指す。 |
山川さん:気を補う「補気類(ほきるい)」と呼ばれる食材は、穀物やイモ類、豆が代表的で、具体的にはかぼちゃや黒豆などがおすすめです。
あとはとにかく毎日しっかり食べることですね。
ユーザーに自ら“突撃電話”してリニューアルを決意
―毎月配送時におすすめのアレンジレシピを提案するというのは、もともと企画されていたことなのでしょうか?
山川さん:パッケージにはスープの作り方しか載せていないので、それだけでは飽きてしまうなと思って、もともとInstagram上でほかのアレンジレシピを発信していました。
それを、キットを配送するときに同梱させたほうがいいと気づいたのは、ご利用いただいているお客さまと話してみて気づいた部分が大きいです。
―アンケートなどを取られたのでしょうか?
山川さん:アンケートも取ったんですが、実はお客さま数人に直接お電話してヒアリングしてみたんです。
退会してしまった方々と、継続して使ってくださっている方々に。
―直接ですか?すごい行動力ですね!
山川さん:YAKUZEN TOKYOのお客さまの中で一番のボリュームゾーンは、当初からターゲットに想定していた35歳~45歳で、仕事をしていたり、家事をしていたり、育児をしていたり、忙しい世代だというのは想定内だったんですが、退会してしまった方々とお話ししてみて、「毎月継続するにはもう少しリーズナブルなほうがいい」と思われている方がいることを知りました。
でも先ほどお話ししたとおり、封入業務を委託しているということもあり、どうしてもコスト面はこれ以上下げることができないんですね。
―ひと月送料無料で2,990円(税込)という価格は、リーズナブルと受け入れられる方もいそうですが、お子さまがいらっしゃるご家庭や毎月の収入が安定していない方にとってはそうとは限らないかもしれませんね。
山川さん:育児中の場合、自分の体調管理のためだけのものを買うっていうことに抵抗を感じる方も少なくないと思います。
もちろんアレルギーなどがなければ一緒に食べていただいてもいいんですが、やっぱり子どものためのものを優先したいので継続するのが難しいという意見をお聞きしました。
でもその感覚はライフステージによって変わると思うんです。
たとえば子育て中の方であれば、お子さまが大きくなってから、またお使いいただけたらいいなと……。
―継続されている方からはどういった意見が出たのでしょう?
山川さん:「自身の体調を整えたくて始めたけれど、今まで試したことのない食材が届くから楽しくなってきた」というご意見が多かったですね。
おもしろいなと思ったのは、たまたまお電話した方の中に女性経営者の方が多く、「毎月たくさん購入して会社で振る舞っている」っておっしゃる方もいました。
「キットだけでなく食材を単品購入できるようにしてほしい」というご意見もいただいたので、それは検討していこうと思っています。
―やっぱり実際に利用されている方の声は発見が多そうですね。
山川さん:私自身、不調になっていたときに改善できたという体験があるので、そういった方々に届けたいという思いで始めた事業だったんですけど、もっとポジティブな目線で発信していったほうがいいのかなと思いました。
同じ会社の方々に振る舞うといった使い方をされている方は多くないと思いますけど、生活の中で料理をする時間や余裕のある方が続けてくださっているケースが多いのかもしれない、と思うと、もっと「楽しい」という部分に重きを置いたアプローチ方法のほうが相性がいいのかもしれないと感じています。
「不調のときはこれがおすすめ」と未病の方や体調の良くない方に向けて健康志向を促すのではなく、薬膳を取り入れることによって、「より豊かな暮らしが楽しめる」ということを提案していきたいと、今まさしく考えているところです。
まずはターゲット層を練りなおして、それに合わせた集客や販売方法を考えていくという感じですね。
―大幅なリニューアルですね。
いつごろから変更を予定されているのでしょう?
山川さん:2023年5月を目指して計画中です。
まずはInstagramのフォロワーさんに向けてオンライン上でワークショップを行い、可能であれば継続してくださっている方の声を掲載させていただきながら、どれだけコンバージョンするか効果検証していきたいと思っています。
短期間でInstagramのフォロワー数を伸ばすために行った工夫
―集客やマーケティングに活用するなど、Instagramを積極的に使われていますよね。
山川さん:Instagramは2019年2月から始めて、食材の薬膳的効能をおしらせしたり、最近は止めているんですが毎日ライブ配信をしたりすることでフォロワー数を16,800人まで伸ばしました(2023年3月インタビュー時点)。
モニターになっていただいたり、今度はオンラインでのワークショップを開催予定していたり、いろいろとコミュニケーションを取りながら活動しています。
―ライブ配信はアカウント開設当初から行っていたのでしょうか?
山川さん:開設して半年後くらいからですかね。
ちょっと新しいことを始めてみようかと思って始めたんですが、どういったお客さまが見てくれているのかわかるので、とてもよかったです。
―「もうInstagramでフォロワーは集められない」といわれているくらい、今Instagram上で集客するのは難しくなってきているので、短期間でそれだけのフォロワー数を獲得したのはすごいです。
なにかほかにフォロワー数を増やすために行った工夫などはありますか?
山川さん:たぶんみなさん行っていることなんじゃないかなと思うんですが、定期的に更新していると、リーチが伸びる投稿っていうのがあるんですよ。
それを見つけたらすかさず広告を打って、よりリーチさせるということを行いました。
私の場合は1日200円を5日間と決めてプロモーションしていたので、リスクも最小限ですみました。
―リーチしやすい投稿の特徴はありましたか?
山川さん:なかったです(笑)。
本当に読めないんですが、でも手に入りやすくて扱いやすい食材、抱えている人が多い症状……たとえばお腹が張っちゃうとか、疲れやすいとか、そういったものに関連する投稿は伸びやすいかなという気がします。
―個人的には、いつも山川さんがこっそり投稿の中に入れている一言日記も楽しみにしています。
(2枚目にこっそり山川さんの近況が書かれており、この遊び心は更新のたびに見られます)
山川さん:見てくださってありがとうございます(笑)!
最近はそうやって気づいてくださる方が増えてきて、コメントをくださることもあるので、引き続きやっていこうと思っています。
以前はYouTubeも投稿していたんですが、なかなか工数が多くて……。
撮影できても編集に時間がかかり、そのときに投稿したい内容がどんどんずれてきちゃうので諦めました。
継続することが大事だと思うので、やりやすいもの、私の場合はInstagramをずっと続けていこうと思っています。
続けていれば絶対に伸びると思うんですよね。
メルマガの活用方法は検討中
―SNS以外にはメルマガも配信されていますね。
山川さん:メルマガはまだおしらせを発信する程度にとどまっているので、フル活用できていないんです。
でも最近メルマガの効果が戻ってきていると聞くので、本格的に稼働させたいとは思っています。
―工数に対して、顧客層とマッチしなければ大きな効果は得られないリスクもあるので、なかなか踏み出すのが難しい分野ですよね。
山川さん:しかも継続できないと意味がなくなってしまうので、悩みどころです。
でも、カタログと連動できるものはなにかしら考えていきたいと思っています。
さまざまな企業・店舗とコラボ展開していきたい
―B2B展開も始め、ブランドリニューアルも企画中と、これからどんどん新しく生まれ変わっていきそうですが、なにかほかに考えていることなどはありますか?
山川さん:まだなにも動いていないんですが、食器屋さんとコラボしたいと思っています。
過去に勤めていた会社でも、自社より何倍も大きな会社にアポイントを取ってコラボ企画を提案するといったことを行っていたので、またなにか取り組んでいきたいですね。
でも今はPMF(※2)させることを最優先にブランディングを練っているところなので、方向性が定まり次第、広告などを打って、まずはしっかり拡大させていきたいです。
※2 PMF:Product Market Fit(プロダクトマーケットフィット)の略で、自社製品が市場に受け入れられ、顧客が満足できている状態のこと。 |
山川さん:ネット販売はもちろん続けていきますが、「購入の仕方がわかりません」といったお声もたまにいただくので、ECだけにとらわれず、ターゲットの年齢層も狭めず、いろいろな販路を考えながらリニューアルしようと思っています。
―もしかして実店舗の可能性も視野に入れているのでしょうか?
山川さん:実店舗はいつか、という感じですかね。
いろんな地域の方がいらっしゃるので、どこかに店舗を設けてもアイドル時間が増えるだけのような気がして、今は重要視していません。
それよりもコラボ展開、あとは卸販売といったところを推し進めていきたいですね。
将来的にはAIを使って業界に貢献していく
―将来的にはAIの導入も目指していくと公式サイトで拝見しました。
山川さん:きちんと経営スキームが整ったら、次の段階として新しいことに挑戦したいなと思っています。
たとえば体質診断の拡充。
もとは何十という数の結果を出せるようにしていたんですが、それでは適応する商品のラインアップが多くなって在庫を抱えるリスクがあるので、基本の6タイプから始めることにしました(※3)。
※3 YAKUZEN TOKYOによって分類された6タイプの体質:それぞれの特徴を後述するので、ご自身がどれに当てはまるか確認してみてください。 |
山川さん:それと実は現段階では、年齢別にどんなタイプが多いか、といったデータが残せていないんです。
なので、デジタル化を進められれば、YAKUZEN TOKYOは在庫リスクを最小限に抑えてラインナップを増やすことができるかもしれないし、東洋医学の関連企業にそれを提供することができれば、業界全体がアップデートできるんじゃないかと思っています。
薬膳には古いというイメージがあるのではないかと言いましたが、本当に何千年も昔の方法を運用されている部分があるんです。
もちろん先人の知恵は大事ですが、それを活かしつつ、新しいことに挑戦していくということも必要だと思います。
実際にシリコンバレーなどにはそういった研究をされている会社もあるので、私自身がどこまでできるかはわからないですが、貢献していきたいですね。
そのためにもまずはお客さまを増やしていって、その方々に満足してもらうことが一番大事なので、がんばってブランドを拡大していきたいです!
YAKUZEN TOKYO流6タイプの体質チェック
起業は孤独との闘い
起業から2年足らずで、ブランドや販路にこだわらず躍動するYAKUZEN TOKYO株式会社。今回インタビューさせていただいた代表取締役社長の山川麻子さんから、起業を目指す方へメッセージをいただきました。
起業するといろいろ決断することが増え、壁にぶち当たることもありますが、尊敬できる経営者の先輩を見つけ、その方に課題解決方法をご教示いただくことで道が拓けることがあるんです。
個人事業主で成功してきて起業するという場合は違うかもしれませんが、基本的には起業家は経営を初体験するものだと思うので、ひとりで知識を蓄えるだけでなく、頼れる人を見つけてみてください。
あとは孤独との闘いでもあるので、メンターだけでなく仲間も作ってほしいです。経営できる人でなくてもいいので、相談できる相手を1人。
起業準備、起業したては本当にこもりっきりで、まるで一人ぼっちになってしまったような気持ちになるんですよね。でもひとりじゃないっていうのは感じてほしいです。
いろんな人に話を聞いてもらいながら、かたちにしていきましょう!
(YAKUZEN TOKYO株式会社 代表取締役社長 山川麻子さん)
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