企業がYouTubeを活用するメリットと成功事例を公開!
YouTubeのユーザーは世界で24億人を超えているといわれ、日本国内だけでも7000万人以上が利用しています。
世代問わず利用している・テレビよりも視聴者数が多いことに加え、これから本格的に5Gが普及していくことを考えれば、YouTubeを中心とした動画市場は今後ますます大きくなることが予想されます。
そのような中、企業自らYouTubeチャンネルを運用し、自社ビジネスに活用するようになってきました。この記事では、企業がYouTubeチャンネルを運用するメリットや活用方法・企業の成功事例を紹介しています。ぜひ参考にしてください。
目次
企業がYouTubeを活用する7つのメリット
スマートフォンとSNSが急速に普及した現代、企業もYouTubeを含めたSNSを利用しているケースが多いです。その最大の理由は「低コスト」「拡散力」が注目されているからです。
以下は、企業がYouTubeチャンネルを活用するメリットを書き出したものです。
- 幅広い世代のユーザーにアプローチができる
- 訴求力が高く共感を得やすい
- ブランディング・認知拡大に繋がる
- ECサイトや実店舗への集客になる
- 企業規模に関係なく勝負できる
- 広告収入を期待できる
- チャンネル登録者へのアプローチが可能
それぞれのメリットについて、もう少し詳しく解説していきます。
幅広い世代のユーザーにアプローチができる
総務省の調査報告書(上記画像)によると、YouTubeを使っているユーザーは10~30代で90%超え、40~50代でも80%と超えと、幅広いユーザーが利用しています。
YouTubeというとエンタメ系の動画をイメージしがちですが、美容、グルメ、スポーツ、ゲーム、ライフスタイル、投資など色んなジャンルが存在します。このことから、企業がYouTubeのチャンネルを開設すれば、いろんな世代のユーザーにアプローチができると考えられます。
訴求力が高く共感を得やすい
動画コンテンツは、動きと声、音楽を用いて、視聴者に訴えかけることができます。文字や画像と比べて、遥かに情報量が多いので訴求力が高いです。
また、文字や画像だけのコンテンツでは伝わらない臨場感があり、説得力も増すため、視聴したユーザーの共感を生みやすいという特徴があります。
チャンネル登録してもらえれば、何度もユーザーと接触することができるようになるのも大きなメリットと言えます。企業と個人でありながら、ユーザーに親近感を持ってもらえたり、信頼感を得られたりできます。
ブランディング・認知拡大に繋がる
YouTubeチャンネルの登録者を増やしたり、動画視聴回数を伸ばせられると企業の認知度が増えます。結果、直接的な購買訴求をせずともブランディング・認知拡大に繋がります。これはYouTubeだけでなくSNSの強みです。
ECサイトや実店舗への集客になる
YouTubeの動画の概要欄などに、ECサイトや実店舗のサイトURLを貼り付けておけば、遷移してもらえる可能性が高いです。
動画を観て、商品やサービスに興味を持ってくれた人が、サイトを通じで商品を購入するかもしれません。集客方法の1つとして利用できます。
わざわざ動画を投稿せずとも、YouTubeに広告を出稿して集客すれば良いと思う人もいるかもしれません。しかし、動画を視聴し、興味を持ってくれたユーザーや、チャンネル登録をしてくれているユーザーは、広告出稿で集客できるユーザーに比べて圧倒的に濃い見込み客となりえます。
企業規模に関係なく勝負できる
YouTubeで大切になるのは「コンテンツ」です。ユーザーを惹きつけることのできる内容の動画を発信することが重要になります。
大企業がコストをかけて撮影・編集した動画より、個人がスマホで撮って、アプリで簡単に編集しただけの動画の方が人気になることも珍しくありません。
チャンネル開設時は、知名度のある企業の方が有利に働くこともありますが、大企業、中小企業、個人が、同じ土俵で戦えるのもYouTubeの魅力と言えるでしょう。
広告収入を期待できる
チャンネル登録者数1000人以上、直近12ヶ月の総再生時間が4000時間以上という条件をクリアすれば、視聴時間に応じてYouTubeから広告収入を得ることができます。
企業として人気チャンネルを運用することで、YouTubeを新たな収益源とすることも可能です。ただし、YouTubeの収益化にはそのほかの条件があります。詳しくは、別記事を参考にしてください。
チャンネル登録者へのアプローチが可能
チャンネル登録してくれている方は、投稿している動画コンテンツに興味があるユーザーであると同時に、商品・サービス、企業そのものに対してファンになっているユーザーも一定数含まれます。
こうしたユーザーに対して、動画を投稿することでいつでもアプローチできるのは、企業がYouTubeチャンネルを開設する最大のメリットです。
企業がYouTubeを使う際の活用方法
企業がYouTubeチャンネルを開設すると、以下のようなコンテンツ動画を作成・配信できます。
- 商品・サービスのプロモーション
- 商品の使い方説明
- 商品・サービス利用者へのインタビュー
- 専門知識やノウハウの公開
- 企業説明や開発秘話の発信
- オフィスツアーや社員の実態を発信
- 人気YouTuberとのコラボレーション
それぞれの活用方法について、もう少しかみ砕いていきます。
商品・サービスのプロモーション
YouTube動画は、TVCMをそのまま投稿することができますし、オリジナルの商品プロモーションの作成・配信ができます。魅せ方を変更するだけで、いろんな世代に刺さるプロモーション動画になりえます。
チャンネル登録者が増えれば、CMや広告をやめても十分な宣伝ができます。広告費用分の経費を削減できる可能性もあり、まさに一石二鳥です。
商品の使い方説明
動画で商品の使い方を説明すれば、説明書よりもユーザーに情報を伝達しやすいです。また、実際に使っている様子がリアルにイメージできるので、購入を迷っているユーザーに対して購買意欲を高める効果も期待できます。
商品・サービス利用者へのインタビュー
商品・サービス利用者へのインタビューや、実際に使用している姿を配信するのもありです。
テレビなどのやらせと違い、YouTube動画はリアルな声を伝えているケースが多いからです。生々しい感想や評価を配信できると、やらせっぽさがなく視聴者の興味を惹く動画になります。
専門知識やノウハウの公開
企業のYouTubeチャンネルで、登録者数を増やしていくために最も効果的なのが、専門知識やノウハウの公開です。
料理教室であれば料理やレシピ。美容院なら、髪型のセットの方法や、セルフカットのコツ。整体院や整骨院なら、セルフテーピングやストレッチの方法など。ユーザーにとって専門家によるハウツー動画は、非常に価値の高いコンテンツとなります。
企業説明や開発秘話の発信
企業説明や開発秘話など、採用担当や開発者に聞く機会がない限りわからないような情報は、ユーザーの好奇心をくすぐります。また、苦労話などユーザーが共感を生むコンテンツを作成できれば、感情移入して記憶に残りやすくなります。
オフィスツアーや社員の実態を発信
求人採用向けに、オフィスツアーの動画を公開したり、社員の実態・インタビューを発信するのもありです。文章や写真だけでは伝わらないリアルな情報が盛り込まれるからです。
とくに新卒など若い人向けには動画は有効です。文章より情報量が多い、イメージが掴みやすいからです。採用に苦戦している企業であれば、チャレンジしてみても良さそうです。
人気YouTuberとのコラボレーション
ブランド価値を高めたり、認知拡大を行うために人気YouTuberとコラボする動画も面白いです。出演料は必要ですが、自社の商品やサービスのターゲット層と親和性のあるYouTuberを起用することで、大きく露出アップできる可能性があります。
企業がYouTubeを運営するポイント
YouTubeチャンネルを運用して結果を出していくために、あらかじめ把握しておきたい運用のポイントを紹介します。
- チャンネルのコンセプトを決める
- 動画のターゲットを明確にする
- 継続的に運用できる体制をつくる
- 動画投稿後もPDCAを回す
上記4つのポイントをしっかりしておけば、企業YouTubeチャンネルを開設しても失敗しづらいです。
チャンネルのコンセプトを決める
企業に限った話しではありませんが、自社のYouTubeチャンネルのコンセプトを決め、一貫性を持って運用する必要があります。
このチャンネルを通して何を伝えたいのか。将来的にどのようなチャンネルとして、ユーザーから認知されたいのか、そのイメージを具体的にし、そこに向けて動画を投稿していくことが大切です。
動画のターゲットを明確にする
前述のとおり、YouTubeは性別を問わず幅広い世代が利用しているプラットフォームになります。そのなかで、企業チャンネルとしてどんな視聴者に動画を届けたいのかを明確にする必要があります。
10代と50代では需要が違うのは明確ですよね。狙っているターゲット層が共感できる動画、役に立つ動画を配信していくことが重要です。
継続的に運用できる体制をつくる
YouTubeチャンネルを運用し、チャンネル登録者数や視聴時間を増やしていくためには、継続して動画を投稿することが何よりも大切です。
「毎週何曜日の何時に投稿する」と決めて、そのスケジュールに合わせて、動画撮影、編集を行えるような運用体制を整えましょう。できれば最低3人(企画・編集・運営)以上の人員は欲しいところです。
動画投稿後もPDCAを回す
もちろん、投稿した動画の更新も大切です。計画・実行・測定・対策のPDCAを回し、より視聴回数が増えるようにしましょう。
簡単にできる改善は、タイトルとサムネイル画像の変更です。どれが一番見られているかの分析を繰り返し行ってください。
企業のYouTubeチャンネル成功事例
YouTubeチャンネルを開設している企業は、何も大企業ばかりではありません。カメラ等の最低限の機材を揃えるだけで始められるうえ、テレビのようなクオリティが無くても、アイデアや個性でファンを獲得できるので、個人や中小企業でも土俵に上がる価値は十分にあります。
ここでは、企業のYouTubeチャンネルの活用・成功事例を紹介していきます。
美容室LIPPS【リップス】
ヘアスタイルを動画で見せたり、スタイリングの方法や、アイロンの使い方などを動画にしています。
ヘアカタログなどの写真で見るよりも、動画の方がヘアスタイルのイメージが掴みやすいですし、ビフォーアフターもユーザーにとって参考になるはずです。
ヘアサロンのYouTubeチャンネルの開設を考えているなら、参考になること間違いありません。
足つぼ Yutaka
足ツボマッサージ(リフレクソロジー)の施術の様子や、テクニックについての解説を行っている動画です。
足ツボのマッサージという、一見面白みも派手さもない動画だと思うかもしれませんが、このチャンネルに投稿されている「足裏10分足つぼ|時短の足つぼ」という動画の視聴回数は、驚きの154万回再生です。
興味のある方に対して、予約ページへの動線も張られているので、業種が違っても参考になるところの多いチャンネルだと思います。
片付けトントン
お部屋の片付け、不用品回収を事業にしている片付けトントンのYouTubeチャンネルです。
ゴミ屋敷を片付けている様子や、ビフォーアフターを動画にしています。そんなの誰が観るの?と思う人もいるかもしれませんが、チャンネル登録者数は23万人を越えています。(2024年5月時点)
不用品回収やハウスクリーニングを事業にされている方は、このチャンネルを参考にして、YouTubeをはじめてみてはいかがでしょうか。
北欧、暮らしの道具店
北欧のライフスタイルを扱う、ネットショップ、ECメディアを運営する企業のYouTubeチャンネルです。
商品そのものを紹介するのではなく、北欧雑貨やファッションにかこまれた生活を切り取り、魅力を伝える動画を投稿しているのが特徴です。
ルーティン動画やVlog、料理風景などをコンテンツにし、動画内で登場した商品を概要欄で紹介しています。
RIZAP(ライザップ)
RIZAP公式のYouTubeチャンネルです。自宅でのトレーニングやヨガ、ストレッチの方法。知っておきたい栄養についての知識などを動画にしています。
トレーニングやダイエット系の動画は、YouTubeの中でもニーズの多いジャンルになるので、パーソナルジムやエステの集客にYouTubeチャンネルを活用したいと考えている方は、RIZAPの動画を参考にしてみてください。
葬儀葬式ch有限会社佐藤葬祭
葬儀・葬式をテーマにした動画に需要があるのかと疑問に思われるかもしれませんが、チャンネル登録者数は約9万人です。(2024年5月時点)
葬儀に関する質問への回答や、葬儀屋の裏話、マナー、時事ネタなどを、ほぼ毎日投稿しています。
どんな業界、業種でも、アイデアや個性次第で成功できる非常に良い事例になるのではないでしょうか。
YaoTube / やおちゅーぶ
八百屋×YouTubeの成功事例です。農家への取材や、ぬか漬けの変わり種、野菜の料理の紹介など、野菜や果物に関する幅広い動画を投稿しているチャンネルです。
こういった動画を定期的に投稿するのは簡単ではありませんが、YouTubeとは無縁に思える八百屋でも、企画次第でチャンネル登録者数を伸ばすことができるという良い事例だと思います。
企業がYouTubeチャンネルを活用する際の注意点
企業がYouTubeチャンネルを活用するメリットや成功事例を紹介してきましたが、気を付けておきたいことが4つあります。
- 成果が出るまでに時間がかかる
- YouTubeアナリティクスの分析を怠らない
- 売り込み色が強い動画は避ける
- 他社の広告が表示される可能性がある
これを把握しておかないと、見切り発信で失敗する可能性が高くなります。気を付けましょう。
成果が出るまでに時間がかかる
YouTubeに動画を投稿したとしても、数日で成果が出るわけではありません。とくにチャンネルを開設したばかりだと、成果が出るまで数か月かかるケースが多いです。
撮影・制作に2週間~1か月ほどかかると考えると、費用対効果が悪いと感じですぐに辞
めてしまう企業が出るほどです。長期的なスパンで見て運営できないのであれば、YouTubeは向いていないのかもしれません。
YouTubeアナリティクスの分析を怠らない
YouTubeアナリティクスは、チャンネル登録者・視聴回数・高評化数・コメント数・共有件数・公開動画数など、動画に関するあらゆる数字を分析できるツールです。
チャンネル開設・動画投稿後に数字の分析を怠らず、常に改善できる体制が整っていないと運営は難しいです。
売り込み色が強い動画は避ける
視聴者に対してメリットのある動画でなければ、チャンネル登録者は増えません。ユーザーはエンタメ性のあるものや、役に立つ内容を求めているのであって、企業CMを観たいわけではないからです。
そのため、いかにもといった売り込み色が強い動画は避けましょう。1度は再生されるかもしれませんが、拡散されにくいうえに、リピーターがつかない可能性が高いです。運用するチャンネルが、視聴者に対してどのような価値を提供できるのか。企画の段階でしっかりチャンネルのコンセプトを決め、ブレないようにすることが大切です。
他社の広告が表示される可能性がある
YouTubeの動画は、収益の有無に関係せず基本的に広告が表示されています。そのため、同業他社の広告が表示される可能性が捨てきれません。万が一表示された場合は、比較対象ができてしまいますし、他社に流れてしまうかもしれません。このリスクが問題ないかも確認しておきましょう。
YouTube以外のSNSを併用するのもアリ
企業でYouTubeチャンネルを開設するなら、そのほかのSNSを併用すると良いです。理由は、拡散力です。とくにX(旧Twitter)やInstagramは、利用しているユーザーが多く、ハッシュタグを上手く使えばたくさん拡散してもらえます。
即効性が高いうえ、YouTube動画のURLを貼り付けておけば、視聴回数が伸びる可能性も高いです。SNSは基本無料でアカウントを開設できるので、同時に運営したほうが成果が出やすいです。
まとめ
企業も個人もYouTubeチャンネルを開設すること自体は、無料で簡単に行えます。
ただし、成功するのは簡単ではありません。何を持って成功とするのかは、チャンネルを開設する目的によりますが、定期的な動画の更新は欠かせませんし、どうすれば視聴者数、視聴維持率が伸びるのか、繰り返し試行錯誤が必要になります。
この記事では成功事例を紹介しましたが、視聴回数が全く伸びていない企業の動画もたくさん埋もれています。
今後、動画市場はますます過熱し、参入する企業も増えてくることが予想されます。YouTubeチャンネルの運用に魅力を感じているなら、なるべく早く参入し、自社ビジネスに活かしていくようにしましょう。
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